INC. April使用構築/ライン越えルチャバドレックス反省会

 

はじめに

本記事は4月のINCで使用した構築についてまとめたもの。結果は最高レート1800、最終レート1749と振るわなかったものの自分なりの構築の集大成となったので満足気味。

 

構築経緯

環境考察

INC. March以後、よく見るのが

(トリルなし)の並び。

これらに対して追い風構築が体感減った。
推測するに、のトリル系のパーティが一定数いることと所謂Rinyaパのが耐久戦に向いていて追い風を押す必要がない又は張ってもメリットがあまりないからだと思われる。加えて、トリル構築を使う側もトリル対策の対策を取るようになり全体的なトリル成功率が高まったことでトリル下での対策枠を割かざるを得ず、仮に採用しても数値配分上伝説2体を入れたうえでトリル構築や耐久型の構築とダメージレースで勝つことに難がある↓

ex.抜き調整のため臆病CSにしたを採用してもがダイアースや天候操作を絡めると打ち勝ちにくく、守るのスペースとDMしないときの火力と耐久の不安から初手からDMせざるを得ず...etc

結果として、上記の構築以外には追い風を前提とした構築は減少し、襷を盾に必要な分だけS操作ができるや壁と電磁波&鉄球トリックでトリルと追い風構築の両方にある程度抵抗力があるを採用したパーティが増えた。

 

以上の環境考察から、を原点として構築を組み始めた。
追い風が少なく中速帯のポケモンが増えているなら大概の状況でS有利は取れるし、特性でCが上がれば壁含めほとんどの受けを許さず、トリル相手の多くに有利かつ特性が発動する場面が増えることからエースアタッカーとして活躍できると踏んだ。

 

本編

ただし、現状(4月上旬の記録)では黒馬ドレックスは追い風系へも親和性があるのにあまり流行っていないように思える。というのも普通の、所謂@襷では

  • 火力…臆病襷前提だと火力が出ない、特性上先発が望ましいが初撃の火力が低くタイプでの受けを許してしまう
  • 素早さ…襷がないと不意打ちで確定、が重い
  • 耐久…襷前提耐久でGSにおける大体の攻撃が確定2発

と中々な性能をしており、かつ一般的な構築ではに強いと組ませてもS順番がボルトロスがDMを切る関係で嘶きで特攻が上げられず、後発から出すにしてもボルトロス自体がDMしなければならないのに火力がアレという問題があるためアストラルビットで倒せるまで削り切れるかが怪しい。
なんなら@スカーフでいい。

それでも刺さってはいそうなのでで相手を倒すことを重視した取り巻き&構造づくりを目標にした。大まかなプランとしては
先発:一般(削り要員)+一般(サポート)or(エース)↓

後発:(エース)or一般(サポート)+伝説?

のような流れ。

まず先発から。
本構築の先発に求める役割は

  • 黒馬ドレックスが抜ける程度(S222?)へのS操作
  • 嘶きを発動させるための程よい削り
  • 黒馬ドレックスの障害となる悪普系への打点

になる。黒馬ドレックスがアストラルビットで前抜きする方針なのでひとまずDMしうることも考慮しておく。

・黒馬ドレックスが上を取れる程度のS操作
S操作の対抗として一番の障害となるのがレジエレキ

S200からの全体S操作が可能なうえに持ち物に襷が多く倒すには2行動(orダイアイスロック)が必要で基本的にトリルをしないパーティには面倒な相手である。
低速耐久型のポケモンで処理しようにも、倒すと後発から高速エース+ジェット役が出てきて黒馬ドレックスが積む暇がなくなってしまう。こちらがレジエレキを使おうにもエレキ黒馬ミラーという剣盾GS初期に見られた不毛な対面になってしまいかねない。スカーフならともかくだが対ランドロスと壁に何もできないのは悩ましい。

ちなみに構築次第で後発@襷がまあまああるのでS操作からの迅速な相手先発処理で追い風やダイジェットを使えるターンを残すかS操作役が生き残りかつ中盤にS操作できる状況が欲しい...
あと地味に初手からダイジェットされているだけでもつらい。

では悪戯心で起点を作るのはどうだろうか、

確かになど先制追い風を使えば初手から上を取って行動できるが、追い風ターンに襷耐えエレキネット+守る→ネット+攻撃でS有利が奪われかつ追い風ターンが消化されてしまう(又は初手の択)ため不安定。そもそもレジエレキを要としたパーティ以外に刺さらない。
更に悪戯心のSデバフ(など)はそもそもの天敵となる悪タイプに通らないので構築全体で悪タイプが重くなってしまう。かといってなど絶対的にこれらに強いアタッカーを隣に配置しても前提とするコンセプトが成り立たなくなる(※後述)

・嘶きを発動させるための程よい削り

コンセプト上、「黒馬ドレックスで倒して特攻を上げながら全員倒す」ので、他のポケモンの高火力技で相手を倒してしまってはを使う意味がなく、初撃のアストラルビットの威力で倒せるほどまでに取り巻きで削っておく必要がある。機能停止でも悪くはないが、黒馬ドレックスへの打点となる霊&悪技、欠伸電磁波など状態異常技を覚えないことが条件であり、流石にそれは少ないと思われる。
この点がかなり難しく、相手の努力値の降り方は勿論、こちらの急所率にも左右されるため素直に攻撃しているだけでは達成できない。こちらの攻撃or特攻の値を意図的に下げるかDM技によるバフ、デバフを入れる必要がありそう。

・黒馬ドレックスの障害となる悪普系への打点

に対してはよく悪やノーマルタイプを選出されることから、少なくとも先発に置く削り役はこれらに強くしたいところ。つまるところ、強力な闘や虫打点か指粉のタゲ変更技を黒馬ドレックスが出ているときに合わせて使えるポケモンが求められる。

と、条件を並べてみたもののこれらをクリアできる並びが見つからなかった。
そこで、アプローチを変えて自体で何か条件のうちの1つでもカバーできないか勘案し、結果としてスカーフを持たせてS操作への負担を軽減することにした。その場合、スカーフ込みでレジエレキまで抜けるので相手のレジエレキやダイジェット役に対して初手削りから行えて1手得になる。(とはいえ黒馬ドレックスが登場するまでに2ターン以上かかる試合ではSを抜かれかねないのでS操作要素は必要。)
この緩和された条件ならの並びが該当する。

は闘打点とダイアークによるDデバフ、普技のS操作があり、ルチャブルの軽業発動のためのフィールド展開かつ悪戯勢のデバフ無効化とタゲ集中による早期退場が可能である。

等のレジエレキ耐性のあるダイジェット使いのほうがルチャブルより汎用性があると思われるだろうが、ミラーやなどより速いジェット使いに対抗できないこと、後発のなど襷をー持つような高速アタッカーにも先制できることがルチャブルの強み。

にダイアースを使われたくないため同じ軽業のにはできなかった。

 

つまり、基本路線として
先発:+→後発:+伝説枠

が確定。

ここまでで対レジエレキ又はダイジェットを積むような構築については対策できそうだが問題があるとすれば、純粋な追い風。減ったとはいえ当たらないわけではないので対策は考えなければならない。

並大抵の追い風ならばを妄信したいが@スカーフの追い風やほどまで来るとさすがに捌ききれず、あらゆるポケモンACSスカーフまで考えるとトリルせざるを得ないが素手に主力2枠が高速で埋まっていて露骨なトリル要素を足しても追い風構築のトリル対策に巻き込まれてしまうため、読まれにくいのトリルを使うことにした。
先発:→後発:伝説+一般(以外)

幸いスカーフ持ち故の耐久重視でSは伸ばせないためDMすればトリル下で位は抜ける。ただしDMしない(できない対面の)場合は初手イエッサン落ちから即交代するため後発には安全に伝説枠に引かせられるようにを採用した。

2つ目の伝説枠にはトリル下でアタッカーとしての役割をこなせてとタイプ相性が良かったを採用。対イベルタル(チョッキは無理)にもトリルを使うので対イベルタル完全有利である点も評価。
残り1枠には純粋なでオーガがDMする構築に対して火力負けしてしまうと考え、と合わせてのDMターンを凌ぎつつ隣を倒していけるような一般枠を探した結果、を採用した。

 

パーティ

     

個別紹介

バドレックス(黒馬)

性格:ひかえめ @こだわりスカーフ
努力値: 100-0-236-36-12-124
技:アストラルビット、ワイドフォース、マッドショット、トリックルーム
調整:HB:巨獣斬耐え、悪タイプのイカサマ耐え(A低め) S:レジエレキ抜き
HD:ダブルダメ憶病雨潮吹き耐え
備考:アストラルビットが無振りエレキに乱数88%1発、耐久無振りリザードンに66~78%

 

構築の起点。特殊範囲版メガガルーラみたいなもの。
基本はにDMを切るがそれに見合う火力を出せる。しかしDMする機会はなくはないので攻撃技で最低限ほしいものは詰め込んである。当初はC44振りPF手助けダイサイコでをワンパンする予定だったがあまりにもピーキーな技だったため断念した。

一般的なCS振り襷持ちから型を変更する際に拘りメガネも考えてはみたが、岩石封じ不採用ののS操作可能なターンが限られていて後発処理に不安が残るので採用を見送った。


ゼルネアス

性格:ひかえめ @パワフルハーブ
努力値:220-0-0-132-0-156
技:ムーンフォースマジカルシャイン、ジオコントロール、まもる
調整:S+2:レジエレキ抜き、C+4:ダイフェアリーでH振りザシアン確定1発

基本選出に入ったりはいらなかったりする伝説枠。
トリルでも非トリルでも動かすので調整はINC.Febのものを流用。対パルキアトリルやディアルガ系には積極的に初手から選出して単独で勝ちに行くが対追い風やイベルタル相手にトリル下からジオコンする。
合計3つの鹿構築を剣盾GSで作ってきてようやく気付いたが、ダイフェアリーと鹿の相性がかなり良い。基本的に以外は鹿にデバフを撒いて時間稼ぎをしてくることが多いが、特にの催眠との麻痺が面倒なため、運要素を最小限に抑えられる点が◎。誰だダイフェアリーの追加効果が弱いと知った奴は。


ルチャブル

性格:いじっぱり @サイコシード
努力値:4-228-44-0-4-228
技:とびひざげり、がむしゃら、じごくづき、フェザーダンス
調整:S:味方の黒馬ドレックス抜き、A:H252B20までのガエン確定1発
最速スカーフ黒馬ドレックス抜き(怒)
AC:ダイアーク+サンパワー+珠+D-2ビットで無振りキョダイリザ確定
HB:A-3特化ホウオウのダイジェット耐え、DM時意地白馬のWダメランス耐え

味方の黒馬ドレックスの起点づくり&DM要員。
軽業発動時の素早さが高すぎるため先発後発かかわらずに先制でき、他の高火力ダイジェット使いと違い初手からS操作技を使う必要がないポケモン
主力技で対に使うとび膝蹴りとDデバフ用の地獄突きは確定、S操作技はダイジェット(ブレイブバード)もあるが使う場合が登場したターンにダイジェットが必要になるという若干の自由度の低さとDM終了時に置物にならないための技として我武者羅の価値が高いと判断したためダイアタックにした。そのせいで地味にゴリラDMが重くなったのは内緒。
ダイロックでを落とす動きもできなくはないがむしろ嘶きの起点にできると気づいてからは岩技を抜いた。代わりにダイウォール成分かつへのフェザーダンス。追い風は没収されていたらしい。


イエッサン

性格:ずぶとい @オボンのみ
努力値:196-0-252-0-0-52
技:ワイドフォース、このゆびとまれ、てだすけ、まもる
調整:S:-1の100属抜き

黒馬ドレックス&悪戯心からの耐性と軽業発動役とヘイト役として採用。
技と努力値振りはごく一般的だが持ち物はやや迷った。襷にすると巨獣残は確定耐えするがトリルを張る際に相手が両方攻撃してこないと残って気まずく、ラムだと欠伸対策にもなるが若干耐久が足りなく感じてきて風船だと猫だましによるデメリットのほうが大きかった...のでオボンに落ち着いた。


モロバレル

性格:なまいき @バコウのみ
努力値:252-0-164-0-92-0(最遅)
技:イカサマ、キノコのほうし、いかりのこな、まもる
調整:HB:巨獣斬耐え
HD憶病オーガの吹雪ダイアイス耐え=控え目冷凍アイス耐え

盾役その2。
トリル下でバレル同士が互いの隣を眠らせあうため悩みの種を覚えさせる線もあるが相手が最短眠りの場合や@ゴーグルが出てきてトリル下でが引き出される状況はまずいので守るは欲しかった。
攻撃技は対ヌケニンにも勝てるイカサマにした。エナボなら面倒なを倒せるがトリルを使わない試合は嘶いたで、そうでない場合はのダイフェアリーで欠伸の対策ができるので攻撃技の自由度は高め。


カメックス

性格:ひかえめ 特性:あめうけざら @しろいハーブ
努力値:148-0-4-236-12-108
技:ハイドロカノンあくのはどうはかいこうせん、からをやぶる
調整:S:最速白馬ドレックス抜き、+2で黒馬ドレックス抜き
D:カイオーガの雷耐え

などルチャブルに不安があるとき位に選出する第二のDM要員。
基本的に初手DMするポケモンだが相手に攻めっ気がない(など)場合に一番効果的なのが殻破だった。丁度こちらにはタゲ変更役が2体いるので使用回数はそこそこあった。

多くのカメックスの特性は激流と聞いてはいるがHPを1/3いかに調整して戦う技量がなく対オーガに選出する場合がほとんどなので雨受け皿にしている。

 

選出&プレイング

基本選出

先発:or+

後発:+


ダイアークとダイアタックで相手を弱体化して黒馬ドレックスで相手を倒せる状況を作る。鹿が出るころには大体終わっていることが多々あり、拘りをどうしても解除したい場合の引き先となっていた。
ものすごく威嚇してくるパーティには後発ルチャブルも割と刺さった印象。

 

+

先発:+

後発:+

初手リザードンにはダイアーク2連打からビットを打ち込み、伝説2体かオーロンゲ絡みなら膝からの我武者羅orフェザーダンスで黒馬ドレックスの起点を作る。

 

先発:or+or

後発:+or
取り巻きに応じて変化する。ボルトロスがいる場合はカメックスを選出、炎ロトムグロスなど鹿への殺意にあふれている場合は鹿の代わりにルチャブルを出したりした。

先発:+

後発:+

初手パルキア(シード以外)+イエッサンなら範囲技連打、シードならジオコン&バレル交代orワイドフォースで有利。白馬ドレックスが初手に来るならダイホロウ+イエッサン引きorムーンフォースにする。弱点保険はないと信じる。トリル後に気まぐれでパルキア方向にダイサイコを打つとバレルを出オチさせられる場合がある。


先発:+

後発:+

奇跡的に黒馬ドレックスが通る場合はビット+ワイドで突っ込むかもしれないが基本的にトリルを張って胞子+鹿へ交代からムンフォorジオコンになる。トリルが切れるまで黒馬ドレックスは出したくないのでバレルは生存できるように適宜守るを挟む。

先発:+

後発:+

正直カイオーガがスカーフ持ちでないなら厳しい。
初手ワイドフォース+指からジオコンできる場面を整える。相手の後発には大体ザシアンがいるのでバレルは安易に落とさず、猫ザシアンが同時に来た時のために守るを使ったターンに両方倒さないようにしたい。

 

戦績

うーん...どっちつかず。

 

反省会

なぜ振るわなかったか。

確かにチョッキ持ちで固めた雨構築には弱いことは分かっていたがそこまで当たらなかったし対雨に勝率は5分以上あった。

構造上の問題として、「ダイアーク2回+アストラルビットで相手のDMポケモンを倒すことができない事態が多発したから」である。

具体例を挙げると

@白いハーブ! <HD耐久振り怪電波!

などが重く、更にのDMにはを合わせるし中速(等)にはの初手で安定する...そう考えるとルチャブルを出せる範囲はかなり限られていた印象。ランクバトルではにばかり当たっていたため気づきにくかったのかも...??

というかグラザシアンに対してもの認識の違いによって負け筋をひくことが多かった。ルチャブルと言えば「フライングプレス」とか「コーチング、仲間づくりでサポートしてくる」、「瓦割りで壁無効化してくる」といったノリで対応してきてほしかったが、流石にINCだと何度かへのダイロック読み交換で(なぜか)を出されてダイアークを交換で無効化されて押し負ける展開もあった。



理論上は強い...と思っていたものでもいざ対戦してみると役立たなかったりするので実戦経験って大事だとおもいました(小並)。

あと驚いたことに信じられないくらい追い風のに遭遇した。
トリトドン先生仕事してください。

 

そんな...